#7おすすめ漫画 でろでろ~撲殺幽霊妖怪滅殺拳~
幽霊とか妖怪ってこの世にいるのでしょうか。江戸時代の人々は自分にとって都合が悪いことは妖怪の仕業として、ある意味楽しんでいたそうです。そんな幽霊や妖怪を拳で撃退するギャグ漫画を紹介します。
でろでろ
基本情報
〇作者 押切蓮介
〇出版社 講談社
〇連載誌 ヤングマガジン
〇掲載期間 2003年~2009年
〇巻数 16巻
18巻(新装版)
新装版1巻の表紙
ジャンル
ホラーギャグ
霊感体質の主人公、悪ガキ中学生が人を脅かす幽霊や妖怪をぶん殴り、蹴飛ばし、逆に幽霊たちを泣かして撃退するホラーギャグ漫画です。基本的にシュール且つコメディな内容です。幽霊や妖怪はおどろおどろしく描かれているのに、主人公を前にするとオドオドしてしまうのが特徴です。
「ハイスコアガール」で一躍有名になった押切蓮介が、自身のルーツである「ホラー」を軸に展開する漫画です。「あるある」と「日常」、「ギャグ」を織り交ぜた物語は基本一話完結です。しかし、よくその「あるある」が思いつくなと感心します。そういった意味ではテレビ番組「人志松本のすべらない話」などで芸人が展開する話術にも通じるものがあるなと、煮干し個人的には思います。
画像は「パンにとり憑いた妖怪」を主人公が食い殺すシーンです。言葉にするとなんともシュールな状況ですね。
あらすじ
日常で起こる「地味に嫌なこと」や「ありがちな出来事」は常に幽霊や妖怪の仕業でした。主人公耳雄(みみお)と仲間たちは何かとその幽霊たちに悩まされますが、やられっぱなしではいられません。その拳で怪奇現象を返り討ちにしていきます。
登場人物
日野耳雄
主人公。霊感体質な不良です。中学3年生で15歳。ほとんどの幽霊や妖怪、怪異を肉体的暴力で対抗し、それが何故か通用するために仲間たちから頼りにされている存在です。意外と面倒見が良いところから、幽霊や妖怪退治をしています。欲望に忠実ですが情には厚いタイプで、特に子供の幽霊には優しく接しています。重度のシスコンで、妹の留渦のためなら地獄からも生還し自分の寿命も賭けるほど溺愛しています。残念ながら留渦本人からは煙たがれていますが、飼い犬の散歩などは一緒に出かけるなど、基本的には兄妹仲良く生活を送っています。
日野留渦
耳雄の妹。オカルト耐性が異常に高いクールな中学1年生。マトモじゃない友達が多く、耳雄から「友達を見る目がない」とまで言われています。耳雄が幽霊などに暴力を振るう点は嫌っているが、兄そのものを嫌っているわけではないです。両親は仕事でパリに行ってしまっており、本当は留渦も一緒に行くはずでした。しかし、日本に一人兄を置いて行けないと、兄に寄り添うことを決めるなど兄想いな一面もあります。
委員長
耳雄クラスメートで友人。成績優秀で人望が厚いです。凛々しい眼鏡が特徴的です。本名は「平川和彦」ですが、呼ばれることはほとんどありませんでした。よく心霊現象に巻き込まれ、毎回耳雄に助けれています。連載初期から耳雄の親友として出演しています。お化けが苦手でしたが、回を追うごとに慣れてきている節があります。
相原岬
耳雄のクラスに転校してきた、霊を引き寄せやすい薄幸な女の子。オカルト耐性がないため、よく耳雄に助けられています。耳雄を慕っているが、全く伝わっていません。内気な一方で結構妄想がたくましい一面があり、時折「思春期の暴走」を起こし耳雄や周囲に当たり散らかしています。
でろでろが面白い理由、3選!
「ホラー」と「ギャグ」という一見相容れないようなジャンルですが、よくよく考えてみたら「ゲゲゲの鬼太郎」なども広く考えればこのジャンルだなと。押切蓮介が自身の原点を「ホラー」と呼ぶように、水木しげるイムズをどことなく感じられる今作。面白い理由を煮干しなりに解説します。
1.細かい設定を敢えてしない
「ホラー」とついてもこの作品は「ギャグ」漫画です。幽霊や妖怪を撃退するために「この世の未練を果たす」「昔から伝わってきた儀式を行う」など関係がありません。とにかくぶっ飛ばす!なぜ幽霊などに触れることができるのか?いいんだよ、細けえことは!そのスタンスのおかげで、ギャグ漫画としてスッと内容が入ってきます。
2.個性豊かな怪異たち
「スケベな要素を蓄える妖怪」「映画を撮る妖怪」、その他にも「牛丼屋のカウンター席と向き合うと異様にガンつけてくる妖怪」など、個性豊かな怪異たちが登場します。登場の仕方も、耳雄にぶっ飛ばされ方も様々。毎回楽しみになってしまいます。特に表情などがおどろおどろしいのが、またこの「でろでろ」の面白さです。
3.日常の「あるある」を結び付けている
日常に意識しないと見過ごしてしまう「あるある」をモチーフに妖怪が登場します。普段気にしないこと、目を向けないことを面白く表現するために幽霊や妖怪などを使って表現しているのです。「ジャンル」でも語りましたが、実際に経験したことを面白く表現するのって、案外難しいものです。それを嫌味なく、説教臭くなく、笑いへと昇華しているのです。画像は「チン毛」、「思春期」など我々も感じたことがあることを題材にしています。ちなみに2枚目の画像は「相原岬」です。登場人物紹介の画像とは別人になってしまう。それが思春期。ちなみに最終的には下の画像になります。
思春期って怖いねー!
まとめ
ホラーギャグ漫画、「でろでろ」いかがだったでしょうか。最近笑ってないな、くだらないこと話せる友達とも会えてないなって人には特におすすめです!
1.敢えて細かい設定をしない
2.個性豊かな怪異たち
3.日常の「あるある」を結び付けている