#11おすすめ音楽 ゆらゆら帝国~完成してしまったバンド~
世の中、いろんな音楽グループが結成されては解散しています。最もかっこいい解散理由は「バンドが完成してしまったから」と、言い切れることではないでしょうか。そんな完成してしまったバンドを紹介します。
基本情報
〇出身地 日本
〇活動期間 1989年~2010年
〇レーベル ミディ 1998年~2005年
ソニーミュージック 2005年~2010年
〇オリジナルアルバム 11枚
オリジナルアルバムは11枚です。初期の曲の代表曲「ゆらゆら帝国で考え中」
ジャンル
ガレージロック×サイケデリック・ロック
初期のゆらゆら帝国はガレージロック・インディーロックでした。異様な雰囲気を醸し出すメンバーにサイケデリックチックな歌詞が特徴的です。ライブも特徴的で「MCがない」「アンコールがない」といったものが挙げられます。中期にはガレージロックとサイケデリックロックが混じり合い、後期にはサイケデリックが全面的に出されたアルバムを発表しています。海外からの人気も高く、海外のフェスやツアーも行っています。
サイケデリック色が前面に出された後期の曲、「空洞です」
メンバー
坂本 慎太郎(さかもと しんたろう)
Vo/Gu担当。大阪府出身。なるべく洗わずにキープする天然パーマのボリュームヘア、非常に薄い眉毛という特徴をもっています。水木しげるを崇拝しています。ゆらゆら帝国の独特の雰囲気を構築している主軸的な人物です。作詞やアルバムのアートワークを全て担当しています。本人曰く、喋りが得意ではないのでインタビューやMCはほとんど無いとのことです。
亀川 千代(かめかわ ちよ)
Ba担当。前髪をまっすぐ切り揃えた腰まである黒のロングストレートヘアーが特徴的です。いすも黒い衣装で登場します。女性のような容姿や名前でありますが、男性です。ゆらゆら帝国の広報担当で、インタビューなどでは坂本に代わってよく喋ることでも有名です。ライブではコーラスにも参加せず、ほぼ直立不動でベースを弾きます。
柴田 一郎(しばた いちろう)
Dr担当。ゆらゆら帝国以前は「かかし」というバンドのドラマーでした。皇居前でドラムの練習をし、右翼の方々に拘束された過去をもちます。メンバーの中で一番容姿にインパクトがありませんが、活動内容はパンチがきいています。現在は「いちろう」名義で電子音楽を奏でています。
メンバーも紹介したので、ここで一曲。「夜行性の生き物三匹」
ゆらゆら帝国がかっこいい理由
決してビジュアルがイケているわけでもありませんし、ファッションがいいわけでもありません。しかし、とにかくかっこいいんです。その理由を3つに分けてお届けします。
① 解散理由が「完成してしまったから」
彼らが目指したのは「日本語ロック」です。その「邦楽」を完成させてしまったと断言したのです。世の中数多くのバンドが解散していますが、「これ以上の成長は見込めないから」と言い切れるバンドは存在しないのではないでしょうか。
② 成長するにつれて削ぎ落とす音楽性
上記の動画はゆらゆら帝国の「ドア」という曲です。この動画はMVなのですが、演奏シーンはないです。ただ、坂本の歌っているシーンをスローの白黒で流しているだけです。しかし、音楽と相まってかっこいいんです!不思議ですね。高い服や楽器などを映さなくてもしっかり5分間聴いてられます。バンドはこの曲の後に、さらに削り落としたサイケデリック色前面のアルバムを発表していきます。
③ ロックの常識をぶっ壊した
今までのロックとは「反骨心」「内なる叫び」など、詞の世界において「人」が中心でした。しかし、ゆらゆら帝国は詞の中心を「物」「虫」など人ではない何かに置き換えています。無機質的な表現が心に刺さります。また、空虚で起伏のない音楽性はとんでもない中毒性をもっていました。盛り上がるから聴くのではなく、ずっと聴いていられる音楽性を生み出していきました。この「詞」と「音楽」の2つからロックの常識をぶち壊していったカッコよさがあります。
まおめ
ゆらゆら帝国の浮世離れした魅力は伝わりましたか?ぜひ手に取ってみてください。
① 解散理由が「完成してしまったから」
② 成長するにつれて削ぎ落とす音楽性
③ ロックの常識をぶっ壊した